この記事では、iPhoneの脱獄(Jailbrake)した際の危険性をはじめとして、メリットとデメリットも紹介していく。
iPhoneには脱獄という簡単に言えば裏技が存在している。
iPhoneのプログラムを書き換えた状態を脱獄という。
逆に通常状態を”入獄”と表す。
未脱獄状態だと色々と出来ないことが多いiPhone。痒いところに出が届かない端末と言っても過言ではない。
そのiPhoneを脱獄するとどうなるのか?
凄く抽象的な表現になるが”色々な事が出来るスマホ”になる。
まずは、タイトルにあるように、脱獄の危険性に関して触れていこう。
iPhoneの脱獄で失敗した際の危険性
冒頭でお伝えしたように、iPhoneの脱獄には夢がある。
本来出来るハズないコトが出来てしまう。それだけでもワクワクするのだから、ガジェット好きにとってたまらない”改造”だと思う。
しかし、脱獄を良しとしないユーザーも多い上、Appleもそれを認めていない。
更に言えば、最近になって脱獄状態のiPhoneを販売したとして、出品者がタイーホされた。
夢がある一方、色々な危険性も付いて回ってくるのが脱獄なのである。(もちろん、脱獄自体は利用許諾契約に違反した行為)
それでは、まず初めに脱獄に失敗した際の危険性から説明していく。
文鎮になる可能性がある
“文鎮”とは、書道などでよく使われるあの文鎮である。
スマートフォンとしての機能が使えなくなり、文鎮くらいしか使い道が無くなる状態の事を文鎮と表現する。
脱獄をする⇒起動しなくなった(電源が入らない)⇒復元も出来ない。
この状態がまさに文鎮である。
脱獄をする際には一度電源オフ状態になるのだが、電源をオンにしても”リンゴマーク”が表示された状態から一向に進まなくなることもある。(または電源すら入らない状態もある)
こうなった際に、自分自身で対処する事が出来なければ、文鎮として使っていくしか方法は無くなるわけだ。
当然ながら、こういった違法改造を施した端末は、Apple care等のメーカー保障を使うことも出来ない。
まず最初に挙げられる一番の危険性はこの”文鎮化”だと筆者は考える。
脱獄は確かに夢がある。しかし、万が一の際に自分自身で対処する事が出来ない(もしくは、iPhone本体をおしゃかにする覚悟がない)のであれば、脱獄を行うのはやめた方が良い。
タイーホされる可能性もある?
前述したように、脱獄したiPhoneをネットで販売したとして、逮捕者が出た例もある。
これは本当に稀な案件だったが、脱獄する以上メーカーから何らかのアナウンスがある事も想定しなければならない…のかもしれない。
では、この部分を深掘りしていこう。
逮捕された理由は”商標権違反”
某オークションサイトにて脱獄済iPhoneを販売したとして、出品者の男性は逮捕された。
既にご存知の方も多いと思うが、男性は商標権を侵害したとして逮捕されている。
脱獄済iPhoneを販売する事がAppleの信用に傷をつけかねない行為だった…というわけだ。
過去に某ゲーム会社のコントローラーを改造し販売した人間も商標権違反となり訴えられている。
執行猶予は3年付いたが、懲役1年6カ月・罰金50万円という判決となった。
つまり、この男性はiPhoneを脱獄したから逮捕されたのではなく、脱獄したiPhoneを勝手に販売⇒商標権違反として訴えられる⇒有罪…となった。
では、”iPhoneを脱獄する行為”は法に引っ掛かるのだろうか?
米国では”iPhoneの脱獄は合法”といった判決が出ている
前述にあるように、脱獄はAppleのソフトウェア利用許諾契約違反に該当する。
確かに”違反”だが、現状ではiPhoneを脱獄する行為が法に触れることは考えにくい。
「iPhoneを脱獄する行為は違法」とAppleはアメリカで裁判を起こしている。
しかし、結果は”iPhoneの脱獄は合法である”といった判決が下る。
そのため、iPhoneを脱獄しただけで逮捕される可能性は極めて低いと考えられる(少なくとも現時点では)。
iPhoneを脱獄する際に発生するデメリットまとめ
iPhoneを脱獄する上で出て来るデメリットをまとめました。
- Appleのサポート対象外になる
- 文鎮になるかもしれない
- iOSのバージョンアップが結構面倒くさい
- 処理落ちする可能性がある
- バッテリーの消耗が激しくなる
Appleのサポート対象外になる
上記で軽く触れたが、脱獄するとAppleのサポートは受けられない。
脱獄した状態で画面が割れる⇒その状態でアップルケアを使う事は出来ない…といった感じ。
もちろん、脱獄の準備段階でリンゴループして起動しない…といった際にAppleに「元の状態に戻して下さい」なんて事も言えなくなるわけだ。
そのため、脱獄をする際はまずこの”サポートを受けることが出来なくなる”という部分を理解しておこう。
脱獄しても、再び入獄したり出荷状態に戻すことが出来れば、サポートを受けることは出来る。
文鎮になるかもしれない
こちらも前述しましたね。
永久リンゴループや、そもそも電源が入らなくなる可能性もあるので、端末が壊れるリスクを承知で脱獄をしなければならない。
逆に、こういった端末がエラーを吐き続けている場合や、原因不明の不具合が出た際も、自分自身の力で対処する必要がある。
「不具合が出たら誰かに何とかしてもらう」といった考えであれば脱獄は辞めた方が良いだろう。
本当に自己責任です。
iOSのバージョンアップが結構面倒くさい
バージョンアップ本当に面倒くさいです。
気軽にできなくなります。
処理落ちする可能性がある
脱獄すると、スマホの動作が重くなる場合がある。
アプリを入れすぎると重くなるし、モノによっては落ちる事も全然ある。
更に言えば、”アプリ同士の相性”も考えなければいけない。
相性が悪いアプリ同士をインストールしていると、不具合が起きる…なんてこともよくある。
基本的にはこういった部分も自分で考えなければいけない。
バッテリーの消耗が激しくなる
脱獄するとバッテリーの減りが早くなると言った噂を聞いていたが、実際に脱獄してみるとそれは事実だった。
機種によってこの部分は前後すると思うが、脱獄をしたらバッテリー持ちが良くなることは考えにくい。
とにかく自己責任
何はともあれiPhoneの脱獄は自己責任です。
成功しても失敗しても、iPhoneが壊れても全て自己責任です。
脱獄するメリットと共に便利なアプリを紹介
iPhoneの脱獄はデメリットが非常に大きく感じた方も多いと思うが、何だかんだで便利な機能も多い。
そもそも、”なんでこの程度の機能も付けないんだろう”とiPhoneに疑問を感じることもたびたびある。
そこを補てんしてくれるのが脱獄なのではないかと筆者は感じる。
結局のところ、Appleがオラオラ系をやめて、ユーザーに寄り沿った機能を付ければ脱獄するユーザーは減り、素直にデフォルトで使用するユーザーは増えるだろう。
色々と思う節はあるが、脱獄するメリットもお伝えしていく。
- 使いやすくなる
- 好みに合ったカスタマイズが出来る
使いやすくなる
かなり漠然としているが、使いやすくなるのは確かだと思う。
例えば、「Activator」というTweak。定番中の定番。
ボリュームボタンやホームボタン、更にはスワイプなどに好きな効果を割り振る事が出来る。
ホームボタンn回タップでスクリーンショット、スリープボタン長押しで”再起動・セーフモード”などのメニュー表示。
ホーム画面で”下フリック⇒Gマップ起動”…こういった様々なアクションを自分の好きに設定する事が出来る。
その他にも、”これが出来たらよかったのに”を可能にする様々なTweakが存在している。
好みに合ったカスタマイズが出来る
Cydia Tweak Anemone 2.1.3-4 https://t.co/zrRo5REoLa #cydia #jailbreak #iOS10 #idroid #iPhone7 pic.twitter.com/7w2gDxkkHX
— GDeT (@godet_fr3akz) June 8, 2017
「Anemone」を紹介する。
上記でActivatorを紹介したが、これは本来の機能をより使いやすくするTweakである。
それに対して、「Anemone」というTweakは、ホーム画面にあるアイコンを好みのデザインに変更することが出来る。
見飽きてしまったホーム画面。
少しの手間をかけるだけで、ロックを解除する度ちょっぴり新鮮な気持ちになるかもしれない。
最近はデフォルトでも使いやすくなっている
Appleは脱獄されないように、バージョンアップのたび思考を凝らしているが、最近の流れを見ると機能面も多少はマシになっている…のかもしれない。
iOSは現状、画面を録画する事は出来ない。
ゲームアプリの画面を動画で撮影したいと思っても、端末単体では撮影する事が出来なかった(正確に言えば、過去に撮影する事が出来るアプリはあった)。
しかし、iOS11ではその機能がやっと解禁された。
「Screen Recording」である。
こちらの記事でもより詳細に解説しているが、画面を録画するためには、脱獄するか、未脱獄状態ならスマホならびにタブレットをPCに接続⇒QuickTime Player等で録画する必要があった。
後者の場合はそれこそ、「面倒くさいから脱獄しよう」といった思考になる。
iOS11では、そういったこれまでの悩みが解消されるハズだ。
序盤は不具合が多そうだけど。
こんな感じで、最近は痒いところに手が届きそうな機能を公式が追加してくれそうな傾向にあるっちゃあるので、無理に脱獄をする必要もないのかもしれない。
繰り返しになりますが、脱獄する場合は自己責任でお願いします。
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